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思い込み

 新型コロナウイルスで生活が一変し、良くも悪くも従来の「当たり前」を見直すきっかけになった。

 

 まず、働き方。毎日、早朝から深夜まで、満員電車に揺られて通勤するのが勤め人の当たり前、と思われていたが、やむなくして始まったテレワークで、家でやれることも多い、何も出社しなくても、と身をもって実感した人も多いだろう。逆に、やはり、家族のいる家庭では集中しづらい、通勤する方が良い、とこれまで苦痛に感じていた通勤に意味を見出せた人もいるかもしれない。

 会議は一堂に会して、だったが、オンラインの方が効率いい、という感想をたくさん聞いた。リアル会議は、レイアウトによっては顔が見えない人もいるが、オンラインミーティグだと全員の表情がうかがえる、全員が集中力をもって議論できる。

 

先日テレビで、不登校だった児童がオンライン授業だと参加でき、学校再開と同時に登校できるようになり、授業では積極的に挙手するようになった、と紹介していた。学校は行くべきもの、が覆された、行かなくても事態が好転することもある。

 

 家に居るなら家族そろってごはんを食べるべき、は、テレワーク中なら、各自のキリのいいところで個別に食するのもOK。無理に時間を合わせてイライラしながら会食するよりは、自分の食事は自分で準備や片付けする方が、気分転換にもなるしお互いの仕事の効率も良い。

 

 3か月間の「非日常」は、これまでの日常生活において、無意識に「○○すべき」「こうするのが当たり前」と思い込んでいたことを、実はそうでもないかも、と違った角度から考えるきっかけになった。どんな状況でも、不平不満は沸き起こる。○○だったらいいのに、、という願望は常について回る。しかし、世の中、自分の思い通りにならないことの方が多く、他人やコトの状況を自分の力で変えるのは難しい。大切なのはその状況、その事実を自分自身がどう受け止めるか、どう解釈するか。

 

 「普通は、ね」「常識的には、ね」と思ったり、言いそうになったら、いったん飲み込んで、「それって思い込みじゃない?」と自問してみよう。

M&M