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遥かなり尾瀬の夏

新型コロナウィルス到来で私たちの当たり前と思っていた生活様式が制約され始めて久しい昨今、緊急事態宣言は解除され、他県への移動もそろりと再開されたのを機に、この数ヶ月渇望していた山歩き、トレッキングにさぁ行こう!と久しぶりにワクワクした気持ちに駆られています。

 

いまから5年前の夏、長年の夢だった尾瀬を歩きました。

「夏が来れば思い出す遥かな尾瀬、遠い空・・・」 歌に誘われ、すぐにでも行けるはずが

なかなか機会が得られず、いつとはなく心の中で諦めていた尾瀬。

 

夏の尾瀬は、木道の左右に広がるいくつもの池塘にひつじ草が咲き、東北以北の最高峰燧ケ岳が逆さ富士ならぬ逆さ燧となって湖面に映る。尾瀬沼近くの大江湿原にはニッコウキスゲや様々な夏の山野草が咲き乱れて目を楽しませてくれた。早朝目を覚ました山小屋の窓外には、歌詞のとおりの白い霧が取り巻き、太陽が登るとともに周囲の樹林が鮮やかに浮かびだす。尾瀬と言えば水芭蕉の季節に訪のう人が多いのですが、私は夏の尾瀬にすっかりはまってしまいました。

 

今年も何回目かの夏の尾瀬を歩こうと心に思い描いていたのですが、山岳団体が緊急提言としてコロナウィルス完全終息宣言がだされるまで「日帰りも自粛」「テントもクライミングもNG」と言っているらしいと耳にして、もとよりテントやクライミングは私の実力外ではありますが、緊急事態宣言も東京アラートも解除はされてはみたものの、いまだ終息とは言えない状況に、さてどうしたものかとワクワクした高揚感を持て余しています。

 

ええぃ! 行こう! もありかなと思いつつ、経済活性化を望みながらも、感染リスクは押さえたい各地域の首長さんたちは都県を超えての移動は考慮願いたいのではないかと気を読む自分には、今年の夏の尾瀬は遥かなり。リモートならぬ写真で行ったつもりになろう!

「楽しみを先に延ばす楽しさや」

 

みなさまの良い夏が巡ってまいりますことを念じております。

 

そしてまた梅雨とは思えない停滞する梅雨前線の線状降水帯下での豪雨に多大な被害を被られた地域の皆さまにお見舞い申し上げるとともに 一刻も早い回復をこころより願っております。コロナウィルス感染防止と戦いながらのボランティア活動に勤しまれる皆さまありがとうございます。 

鶴丸⛰