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コロナワクチン狂騒曲

高齢の両親のところに、新型コロナウィルスのワクチン接種券が届いた。4月中旬のことである。

両親ともに90歳代。当市では、高齢者はまず90歳以上から優先予約ということだった。それはそれで、理に適っているかな、と思った。

そして予約方法は電話のみ。インターネット予約は無し。それも、IT弱者が多いだろうと思われる90歳以上、子や孫に予約代行を頼めない人もいると考えると合理的だったのではないか。

 

両親の場合は、当然ながらわたしが予約を代行することになった。

予約開始の初日、仕事が休みだったので、予約開始時間から電話をかけ続けたが繋がらない。まあ、予想はしていた。市内には90歳以上が4600人ほどいるらしい。それに対して、ワクチン供給量は960人分とか。

一日目は250回ほどかけたが、まったく繋がらず・・・ やれやれ・・・

 

翌日は出勤日、かけ続けるわけにいかない。

同僚たちに事情を話し、仕事の合間を縫ってかけるがやはり繋がらない。

昼休みにかけながら「繋がらないな~」とぼやいていると、同僚たちが「みんなで電話しよう!!」と協力を申し出てくれた。そして4人でかけ続けること、しばし。

そうこうするうち、一人が「繋がったわよ!! ほら、出て!!」とスマホを渡してくれた。

おかげで無事に予約を取ることができたが、4月中旬のその時点ですでに予約の日時は6月初め。2回目の接種も同時に予約するので、そちらはその3週間後の6月中旬過ぎ。

それまで、両親が感染しないことを祈るばかりである。

そして同僚たちに感謝・・・

 

今回のこの騒動では、職場の同僚たちに助けられたが、ほかにもいろいろな方々にお気遣いをいただいた。

実家の隣のご家族にも90代のおじいちゃまがいるが、そこの若奥さまがわたしの両親を気遣って、予約の情報などを紙に書いて届けてくださった。そこのおじいちゃまの予約も、運良く取れたとのこと。

母の担当ケアマネさんにもご心配いただき、主治医・看護師さんにも接種時のアドバイスなどいただいた。

ほんとうにありがたいことである。

 

この感染症にはとてもつらい想いをさせられているが、こうしてひとの温かさに触れる機会も増えているように感じた出来事であった。