なんて暑い日本なんだ!と来日された方々を驚かせたオリンピックの晴天に続き、日本中を水浸しにしていったその後の一週間。コロナ禍と相まってことのほか自然に翻弄された感のある8月でしたが、ふと気づくと夏の風物詩・蝉の鳴き声が変わってきているのに気が付きました。
盛夏によく耳にしたのはミーンミン♪ ジージージリジリ♪ シャワシャワ♪カナカナ♪ 最近は チッチ♪ オーシックツク・ツクツクホーシ♪
そうなんです。夕やみも早く訪れるようになってきていますし、庭には虫の声まで。いつの間にか夏から初秋へ季節が移り替わり始めていました!
そこで初秋を感じるものはもっとないかなぁと初秋さがしをしてみました。
まずは空を見上げて、初秋の雲は? ありました!
「うろこ雲」「いわし雲」「さば雲」 白い小さな粒状の雲の塊の形状によるものなのですが全て魚の名前が面白いですね。もくもくした丸い雲の集まりは 「羊雲」「叢雲(むらくも)」
「斑雲」。ほうきで掃いたような「すじ雲」に「しらす雲」。 主に空気の澄んだ初秋の空を彩る雲だそうですが、季節感が一杯です。スマホ画面と照らし合わせて知るひととき☺
季節感と言えばめぐりゆく自然を映し味覚を楽しませる茶菓子の世界ではどんな初秋に会えるのかな? ということで次は和菓子のお店をのぞいて見ました。
百合根を雁に見立てた葛菓子、名「初雁」。もち米と潤米を蒸した「萩の餅」はおはぎをより洗練させたもののようでお彼岸のイメージ。 色づく前の緑の柿を白あんと求肥で表現した名「初秋」。外郎で八弁の菊をかたどった「まさり草(菊の別名)」は菊に長寿を祈る重陽の節句から。なんとも風情があり、いかにも美味しそう。
その横には、松笠 松葉 すすき 桔梗 子芋 をかたどった干菓子が並んでいました!
いずれも9月を連想されるお菓子なのだそうです。日本の茶菓子はどこまでも繊細で創意工夫に溢れていました。もちろん眺めるだけではもったいないと買い求めましたが、煎茶でも紅茶でもコーヒーにも合うと思っていますのでお勧めです。☺
すすきといえば中秋の名月の飾りに欠かせないものですが、昨年はすすきを採りにあちこち探し歩き、やっと見つけたことを思い出しました。当たり前にどこにでもあると思っていると季節を感じさせるものも既に昔の話になりかねないということでしょうか。
慌ただしい毎日の中ではついつい見過ごし目を留めなくなりがちですが、折角の四季を持つ土地に住まうのですから、時にはその季節特有の現象・文化・味覚・イベント等に目を向けたいものと改めて感じました。
府中の9月はくり祭りでしょうか。
鶴丸🌰