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令和3年の始まりにあたって

「初日の出 しだいに見ゆる 雲静か」

                   夏目 漱石

 

数年に一度と言われる寒波の中、怜悧に冴えわたった空気に包まれ令和3年の幕が上がりました。「家族でSTAY HOME人流を最大限押さえてとの小池都知事からの切迫したCOVID-19対策メッセージも発せられていましたが、昇る朝日の穏やかで明るく大地を照らす変わらぬ姿は明日があることを雄弁に物語っているようでもありました。

みなさまはどのように新しい年をお迎えでしょうか。

 

昨年は私ども「NPO法人けやきの会」の活動にご理解ご支援をいただきましてまことに有難うございました。こころから御礼申し上げます。

 

世界中に蔓延するコロナ禍により、私たち個人の生活も社会や企業活動も一変した昨年でした。47日の緊急事態宣言以降、マスク、手洗い、うがいはもとより3密防止とともに「人と会う」「人が動く」「人と集う」ことへの自己抑制を強いられ、随分と我慢の一年でした。離れたご家族とも会えず、買い物にも、食事にも、そして冠婚葬祭までも気を遣い

不自由な思いを抱かれた多くの方々、まだまだ先の見えにくい状況ではありますが、今年こそは展望が開けるのではないかと明日を信じた一歩をご一緒に踏み出したい思いでございます。

思い返せば昨年の今頃は、在宅勤務・テレワーク・ワーケーション・オンライン研修・zoom会議等々いったいどれだけの方がご存知だったでしょう。ウィルスの侵入に一気に一般化、今ではその功罪を整理できるまでになってきておりますし、年齢に関わりなくデジタル化

に触れえる今はコロナ禍でも立ち上がれる力を感じさせもいたします。

 私たち「けやきの会」も昨年は6月に予定しておりましたセミナーの中止を余儀なくされましたが、9月にはフェースシールド付きでの「自分発見セミナー」を開催、11月には府中市の協働まつりにオンラインでのworkshopや個別相談、ユーチューブ動画配信等々初めての試みに挑戦してみました。明日を信じた一歩の踏み出しでした。

 

今年私たちはNPO法人としての九年目を迎えます。

歩みは遅くとも、コロナ禍を体験中の今だからこそ、よりよく生きるための心の健康の大切さを、リアルでもデジタルでもコミュニケーションの重要性を、「どんな物事もその存在は相対的。異なる立場から見れば、その姿はまるで違ったものに見える」故にこそ「決めつけは決してしてはならない」(明石康元国連事務次長・日経ビジネス「有訓無訓」) との言葉とともに自らの枠組みに捉われず、それでいて自らを含め一人ひとりが自分らしくを貫けるようなあり方を模索してまいりたいと思っております。

 

丑の年の出だしは、220日府中市男女共同参画センター「フチュール」での

「誰もが傷つかないハラスメント講座」から始めさせていただきます。

公認心理士、臨床心理士、社会福祉士、産業カウンセラー、アンガーマネジメントコンサルタント、そしてがん治療と仕事の両立支援サポーター等々、会員其々の専門分野を、多摩地域のみなさまのお健やかで充実した日々に少しでもお役立ていただけるよう、まだまだ至らない私たちではありますがセミナーや相談活動に取り組んでまいりたいと思っております。

本年も昨年に引き続きましてご支援いただきますようよろしくお願い申し上げますとともに、どうぞみなさまのご参加をお待ちしております。

 

不確実な環境下でも一日一日を大事に、明日に向けて皆様がご健康な一年を過ごされますよう心からお祈りしております。

 

      理事長