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越前から近江へ

特に決め手はなかったが、福井県へ出かけてみた。東名道から中部縦貫道へ。そして大野市に泊まった。

道すがらに、ああそうか、と思ったのはこの辺りが大河ドラマ「麒麟が来る」の主な舞台だということだ。SAに、街中に、大河ドラマの舞台です、と宣伝するのぼりがある。そうしたら急にその舞台をたどりたくなった。

関東在住の私には箱根から西はやはり土地勘がない。仕事で出かける名古屋、京都、大阪はそれぞれ中心街は少しわかるが、それぞれ「点」で理解していて「面」で認識できていない。

 大河ドラマを見ながら、明智光秀が美濃から越前へ落ち延びるエピソードに、「ずいぶん遠いところに行くのだなあ」と思っていた。しかし、実際クルマでだが走ってみると、確かに険しいが「隣の国」だということがわかる。

一乗谷の朝倉館跡にも行ってみた。 山に挟まれた川沿いに当時1万人の人口を擁する城下町があったという。 しかし、なんとも現実感がない。 なんでここに? という思いばかりわいてくる。 ここは改めて下調べもして再来したいと思った。

一乗谷から敦賀を抜けて南下する。

越前から近江。 浅井・朝倉連合が織田信長と覇権を争い、その後年には豊臣秀吉が柴田勝家を追い詰めたあたりだ。 こちらも、思ったよりも位置関係はずいぶん近い、という印象だ。 日頃ニュースで「米原から敦賀の新幹線は難工事だ」などということばかり耳にするから、ものすごく遠いのかと勝手に思い込んでいたが、徒歩でも1日あればたどり着けそうだと感じた。

賤ヶ岳を抜けると琵琶湖が見えるのかな、と思ったら大間違いで、見渡す限りの平野である。 なるほど、ここは浅井氏の領国だ。 豊かな穀倉地帯だったのだろう。

長浜城はすぐ近くだ。 これもイメージと違う。 やはり行ってみないとわからないものだ。

そして、長浜から関ケ原もずいぶん近い。 なるほど関ケ原が戦場になったわけが体感できた。

 

体感することを心理支援の柱にしている心理師の私にとって、これからの仕事をしていくうえでもよい体験になった気がした。 コロナ禍が落ち着いたら、もっと旅にでかけたいものだと思った。

源さん