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めいっぱい働いた夏

職場の同僚(常勤職員)がコロナに感染した。

職場の中で感染者が出るのは、もちろんこれが初めてではない。毎日のように2万数千人が感染し続けている東京、いつだれが感染してもおかしくはない。

しかし今回は毎日出勤している常勤が感染、行政からの委託で事業(相談業務)を行っているので、出勤者のアタマ数をそろえる必要があり、非常勤のわたしにお鉢が回ってきた。

夏休みを取る人がいる時季でもあり、「できる限り出て~~(涙)」と泣きつかれ、8月の初めから、平日は毎日のように出勤した。

「おかしい、非常勤のはずなのに、毎日職場にいる」「こんなに働くはずではなかったのに」とぼやきながら、それでも毎日職場に行った。

 

最初の数日は、なんとなくペースがつかめず違和感があった。夜、「あ、明日出勤するんだった」と気がついて(本当にうっかり忘れていた)、慌てたこともあった。。。。。。。 

しかし、慣れてくると出勤が続くリズムがからだに心地よく感じられ、「これも悪くない」と思えてきた。もっとも8月ということもあって、朝の通勤電車が通常よりすいているという状況に助けられていたのかもしれない。

 

ずいぶんと前、正社員で働いていたころ、こうして毎日出勤していたわけだが、いまよりずっと若かった当時と比べても、いまはそれほどつらいと感じてはいないことに気がついた。

毎日出勤していると、日々の相談業務が途切れることなく目の前で展開されて、個々のケースの状況をつかみやすくなる。もちろん毎日来ていなくても、情報共有はされるのだが、リアルタイムだとなお把握しやすい。

ケースの一つ一つが活き活きと立ち上がってくるような感覚があった。

こうして考えてみると、わたしはここの仕事が好きなのだな・・・ と再認識したように思う。興味深く感じ、「やりたい」と思って始めたこの仕事だったが、続けてきてさらに面白く感じている自分がいる。

 

コロナ感染した同僚も無事復帰し、夏休みを取っていた人も戻り、わたしの常勤状態も解消した。

実は並行して他の仕事をいくつかやっているのだが、遅れがちだったそれらもなんとかいつものペースに戻すことができた。

なんだかめいっぱい働いてしまった夏だったが、それはそれでよい経験になった。

そして今後、出かけて行って仕事をする機会がもっと増えたとしても、きっと大丈夫だろうと自信を持つことができた。

年齢を重ねても、面白く感じる仕事であれば、苦と思わずに続けられるのかもしれない。