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私の歩んだグリーフの道

10年前に私は子どもを自死で亡くしました。

記憶を辿って10年間に起きたことを振り返ってみました。

 

★~突然の衝撃と、その後に続く『自責感』

「何故止められなかったのか、気持ちを分かってあげていなかった、私は親として失格だ」という後悔の念はとても強いものでした。藁にもすがる思いで、救いを求めてさまよっていました。

~しかしこの苦しみが、知らない間に身についていた古いヨロイを削ぎ落としてくれたのです。中にあったのは、弱くて愚かな素の自分でした。さらに荒れた心の畑を耕してくれたのです。

人生に無駄なものはないと感じさせてくれました。

 

★★~【喪失感】「あの子は何処へ行ったのか、死んだなんて信じられない」諦めきれない『未消化な喪失感』。それは長く暗いトンネルに続くものでした。その頃よく不思議な体験をしました。 

<夜中にあの子のバイクのエンジンがかかった> <階段を登っていく足音がした> <夢の中で優しい言葉をかけてくれた>等々。

~不思議な体験は、死んだら無になるのではなく、死んでも魂は生きていると思わせてくれる嬉しいものでした。

そして見えない世界へと関心が向き始めるきっかけになったのです。

 

喪失感は、愛する人がいなくなったことへの悲しみと、今を生きるものの命の愛おしさを教えてくれるものでした。

そして悲しみは、苦しんでいる人の気持ちを理解し支えようとする心の働きをもっていたのです。

おこめ

 

*グリーフ ・・・ 死別などによる深い悲しみ。悲嘆。苦悩。嘆き。