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話すこと、聴いてもらうこと そして五月病

4月は様々な変化があり、環境が変わった人も多いでしょう。それから1か月ほどたった頃にやってくるゴールデンウィークは心身共にリフレッシュするにはもってこいの連休です。一方でその頃、やる気が出ない、学校に行きたくない、仕事をしたくないと不調を訴える人が出てくるのもよく耳にします。いわゆる五月病です。五月病への対応策はなんと言ってもストレスをためないことです。

 

ためたくなどないのに、たまってしまうのがストレス。そのストレス対処法の1つとして「話す」「聴いてもらう」のが効果的と言われるけれど、本当なのでしょうか?結論からいうと、確かに効果的です(勿論、個人の感じ方の違いはあります)。そこで、今回は私の体験です。

 

 

ひとつめ。相談業務の講座を受講した際のこと(私も産業カウンセラーなので、学びは継続して行っているのです)、‘実際に専門機関に相談をする’という課題が出されました。無料の電話相談を利用したところ、カウンセラーは私の言葉を決して否定することなく、時折、質問をしながら聴いてくれました。1回だけの相談では問題解決には至りませんでしたが、私自身が気づいていなかった自分の気持ちや別の見方があることにも気づくことができました。更に、私の日常生活では、ほんの数分であっても誰にも邪魔されずに話し続けられる場など殆どありませんから、私だけが話せ、私の話に集中して聴いて貰えた時間として、なんとも贅沢な時を過せたと感じたのでした。

 

ふたつめ。4月20日は「聴く」の日なのだそうですが、奇しくもその日、私は知人に話を聴いてもらっていました。知人も私のまとまりのない話を否定せずに最後まで聴いてくれ、感じたことや意見などを話してくれました。私1人で無限ループのように考えていたことをほぐせるように思えましたし、声に出して話せたので心身ともに前向きに修正することができました。

 

話すためには、自分に向き合い、考えを言葉で表現できるように整理しなければなりません。そこに相手が質問などしてくれることで、更に考えることができ、内省もできるのですね。そして、声に出す。声帯や肺を初めとする身体を動かすので、これもまたリフレッシュになるのです。更に言うと、自分の言葉を自分の耳で聴き、脳に伝わるのでより認識・記憶しやすいという効果もあります。

 

五月病に限らず、ストレスをためこむ前に話をしてみましょう。知人とお茶を飲みながらちょっと愚痴を聴いてもらうのもいいでしょう。知人にこんな話はと、ためらうなら、無料の専門機関もあります。専門機関だからといって、大層な相談事でなくてもいいのです。カウンセラーと知人では立場も聴き方も違います。でも、私は聴いてくれる人がいて、実際に話せたことで自分は1人ではないと心強く感じました。気にかけてくれる人がいることのありがたさを感じたのです。話をしてみましょう。そして、もし逆に、ちょっと様子がいつもと違う人がいたら、話を聴いてあげてくださいね。

 

私たち、けやきの会でも自由に話ができる場を企画中です。どんどん活用いただけたら嬉しいです。

 

choco